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フォーラムレポート⑥多文化共生×防災

「多文化共生×防災~身近な問題から多文化共生を考える」

ゲスト 菊池哲佳さん(仙台国際交流協会)... コーディネーター 山西優二さん(早稲田大学文学学術院教授)

多文化共生というと、国際交流協会などの拠点がない逗子ではなかなか取り上げられて

こなかったテーマだと思います。それを社会福祉協議会や市役所、「多文化交流くらぶ」の

有志が「多文化共生プロジェクト」として、問題意識の発掘からスタートしたのが去年。 今回は第2弾として企画したシリーズの1回目が、「国際文化フォーラム」の

最初のプログラムとして実現しました☆

参加は想定以上の約60人。会議室に用意していたイスが足りず、急きょ他の部屋から

持ってきたほどでした。

内容的には、まずはネパールと韓国出身のお二人に、東日本大震災のとき、

緊急対応用の表示が日本語で困ったなどの体験を話していただき、日本人参加者からも、

震災がきっかけで地域の防災組織に関わった、当時は小学生で集団下校したなど、

みなで当時を思い出すことから始まりました。

そしていよいよゲスト・スピーカー菊池哲佳さんの登壇です。 仙台には留学生が多いそうで、仙台国際交流協会では発生当初、各言語のボランティアが

入れ代わり立ち代わり行政情報の発信に努めそうです。とはいえ、外国人の中には

日常会話はできても「避難」などの防災用語を知らないために逃げ遅れた人もいるのでは、

とのこと。また避難所の中には、アクセスの良さから地域住民には想定外に外国人が

詰めかけ、”アンチ”になった人もいたとか。

そうした意識のギャップを埋めるために震災後は、防災訓練を一緒にしたり、

エスニック料理による炊き出しをしているそうです。

質疑応答では、炊き出しでイスラム教のハラル料理など宗教的配慮をどうするかとの

質問もありましたが、災害時は肉を食べなくても栄養たっぷりの野菜中心の炊き出しなら

誰でも食べられるといった意見も出ました。

全体として、地域防災組織と多文化共生という、日頃は接点のなさそうな参加者たちが

問題意識を共有し、今後の活動に生かせるような充実した講座となりました。 多文化共生が逗子に根付いていく一助となればいいなと思います。

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